はこべら堂さんインタビュー
TOKYO PiXEL. shop & gallery物販特設スペースにて2023年2月17日よりポップアップショップを開く「はこべら堂」さんにインタビューを行いました。このかわいい猫のお人形はどうやって作られているのでしょうか?展示と併せて是非お楽しみください。
■イベント詳細
はこべら堂 ポップアップショップ
期間:2023年2月17日(金)~26日(日)※月、火定休日
場所:ギャラリー奥にある物販特設スペース
時間:12:00~19:00
※展示最終日は17:00まで
【通販のお知らせ】
会期途中2月23日(木)20時より通販開始予定
※会場での販売を優先しております。
ーーいつから創作活動をはじめたのですか?
今回展示販売する刺繍で作る猫の人形を作り始めたのは2019年からです。
単純に創作という意味では、何かを作らずにはおられないので、物心ついた頃から何かしら作っています。
ーーはこべら堂という屋号は何か意味があるんですか?
愛猫をモチーフに何かを作りたいということからはじめたので、愛猫にまつわることからつけることにしました。2匹いる猫は偶然にも同じ誕生日だったのですが、誕生花のひとつに「はこべ」がありました。花言葉が、ヒヨコが集まってくることから「集合する」、花の形から「愛らしい」というものがありました。猫にまつわる由来ではないのですが、外にいる猫には「猫の集会」がありますし、猫は「愛らしさ」の塊だと思うので「はこべ」はぴったりだと思いました。「はこべ」よりも「はこべら」の方が響きとしてしっくりきたので「はこべら堂」としました。
ーー普段はどんなお仕事をされているのですか?
本にまつわる仕事をしています。刺繍で猫を作ることは、仕事とは異なり自分の思いついたことを形にすることができることに加え、もくもくと刺繍をすることで頭の整理ができる大切な時間です。一日の終わり夜寝る前に刺繍をする事が多いです。
ーーどういった技法で作られているのですか?
ターキーノットステッチ(スミルナステッチともいうようです)で猫の毛を生やしています。そのほか顔や肉球、瞳はサテンステッチやロングアンドショートステッチなどで作成しています。刺繍で猫を作ろうときめてから色々と調べました。
ーー刺繍でお人形を作ると言うのは珍しいと思うのですが何がきっかけで始めたのですか?
猫と生活するようになって、愛猫をモチーフにいろいろとつくっていました。それに加えて作家さんにぬいぐるみやイラストなどをオーダーもしていました。そのひとつに、刺繍作家のhirokoさんに「猫シャツ」を作っていただく機会がありました。自分で撮影した写真を元にシャツの胸元に愛猫の刺繍を施していただくのですが、そのリアルさ、思わず撫でたくなるような毛並み、いきいきとした表情に感激しました。写真以上に愛猫がそこにいると感じられたのです。
素晴らしい刺繍であることはもちろんなのですが、刺繍糸の艶や糸1本1本による立体感、それによる陰影や奥行き、「刺繍」という表現に今までにない衝撃を受けました。
感激と衝撃を受けた「刺繍」という表現で、自分なりの何かを作ってみたいと思いました。
いままではイラストのような平面的な表現が主だったので、立体的な表現でも愛猫を作りたいと思っていた頃だったことも大きかったです。
何を作ろうかなと考えた時に、小さな頃に伯母からもらった手作りの猫の人形のことを思い出しました。目鼻を刺繍で施した洋服を着ている人形で、なんとも言えぬ愛らしさにずっと手元に置いてありました。刺繍の猫のかたちはその人形を元にしています。
洋服については、裁縫は巾着程度しか作ったことがなくハードルが高く感じたので、猫の毛も刺繍で生やすことにしました。
ーーこだわりの道具や思い入れのある作品はありますか?
ループをつくっていく刺繍なので、針が短いものの方が使いやすく、日本刺繍の針を使うこともあります。糸を何本どりにするかや、その日によって手にしっくるくる針が違うので、フランス刺繍の針と、日本刺繍の針を使い分けています。
最後にループを切って毛(糸)を整えるのに、手芸用の反りのあるハサミが使い勝手が良いので、刺繍の最中と仕上げの時とハサミを使い分けています。
ーー今回のイベントで展示販売する作品について一押しのものがあればお聞かせください。
猫たちはすべて一押しなのですが、横腹に渦巻き模様がある《サバ猫 #2》は横からの見え方を、《朝焼け色猫 #1》は毛自体の表情を模索すべく糸の染色にも挑戦しています。ぜひご覧いただければと思います。
ーー最後に来場されるお客様へ一言お願いします。
猫と生活をしてみて思うのですが、猫は一緒に暮らす人間のことが大好きです。人の手への愛着も感じます。
手のひらにおさまるふわりと軽くやわらかな刺繍の猫たちの愛らしさをご覧いただき、どなたかの手にとどまれることになればとても嬉しいです。
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